勧告と基本
WHOと米国小児科学会(AAP)は、生後約6か月までは母乳だけを与え、その後は離乳食とあわせて2歳またはそれ以降まで、親子が望む限り母乳を続けることを勧めています。これは勧告であって義務ではありません。混合栄養でもミルクでも、赤ちゃんが元気に育ち、家族が続けられる方法が一番です。
出産直後の肌と肌の触れ合いと早めの初回授乳は、母乳の分泌を助けます。最初の数日に出る初乳は量が少なくても新生児には十分で、通常は出産後数日たってから本格的に母乳が出始めます。
吸わせ方と授乳回数
- 赤ちゃんの体全体を親の方に向け、耳・肩・お尻が一直線になるように抱きます。
- 赤ちゃんが口を大きく開けたら、乳首だけでなく乳輪の下側まで深くくわえさせます。下唇が外側にめくれていれば良いサインです。
- 授乳中に痛むときは、指を赤ちゃんの口角に入れて吸着を外し、くわえ直させます。痛みが続く場合は姿勢や舌小帯の問題のこともあるので相談しましょう。
- 新生児期は24時間に8〜12回ほど飲むことがよくあります。短い間隔でまとめて飲む「頻回授乳」も正常の範囲です。
- 空腹サイン:口をもぐもぐさせる、手を吸う、顔を向けて探す。泣くのは遅いサインです。
足りているサイン
母乳の量は目に見えないので、多くの親が不安になります。次のサインで判断しましょう。ほとんどの新生児は生後数日で体重が少し減り、2週間ごろまでに出生体重に戻ります。
- 生後5〜6日以降、濡れたおむつが1日6枚以上
- 便の色が緑・黒っぽい色から黄色に変わる
- 授乳中にごくごく飲み込む音が聞こえる
- 授乳後は比較的落ち着いている
- 健診で体重が順調に増えている
よくある困りごと
- 乳首の痛み・傷:多くは吸わせ方の問題で、姿勢を直すと良くなることが多いです。
- 乳房のはり:頻繁に授乳・搾乳して空にし、授乳前は温め、授乳後は冷やすと楽になります。
- 乳管のつまり:硬いしこりがあればその側から頻繁に飲ませ、強く揉みすぎないようにします。
- 母乳が足りないと感じるとき:まず授乳回数と姿勢を見直し、ミルクの追加は医師や授乳の専門家と相談して決めます。
搾乳と母乳の保存
搾乳した母乳は清潔な容器に入れ、日付を書いておきます。米国疾病予防管理センター(CDC)の基準では、搾りたての母乳は室温で4時間以内、冷蔵庫で4日以内に使うのが望ましく、冷凍なら約6か月が最適、長くて12か月まで保存できます。
- 解凍は冷蔵庫かぬるま湯で。電子レンジはむらに温まるので使いません。
- 冷蔵庫で解凍した母乳は24時間以内に使い、再冷凍しません。
- 飲み残しは飲み始めてから2時間以内に使い、残りは捨てます。
ママの健康・薬・職場復帰
授乳中はいつも通りバランスよく食べ、のどが渇いたら水分をしっかりとります。多くの薬は授乳中も使えますが、服用前には必ず授乳中であることを医師・薬剤師に伝えてください。お酒は飲まないのが最も安全で、喫煙は赤ちゃんに有害です。
母乳だけの赤ちゃんはビタミンDが不足しやすいため、AAPは生後早期からのビタミンD補充(1日400IU)を勧めています。補充するかどうかや方法は小児科で相談しましょう。
韓国では勤労基準法により、生後1年未満の子どもがいる女性労働者は1日2回、各30分以上の有給の授乳時間を請求できます。復帰の2〜3週間前から搾乳と哺乳瓶の練習を始めるとスムーズです。
よくある質問
1回の授乳はどれくらいの時間が必要ですか?
決まった時間はありません。10分で終わる子も30分以上飲む子もいます。片方をしっかり飲ませてからもう片方をすすめ、体重の増え方とおむつの数で十分かどうかを判断します。
母乳が足りない気がします。ミルクを足してもいいですか?
大丈夫です。ただ、足すと乳房への刺激が減ってさらに量が減ることがあるので、まず授乳回数と姿勢を見直し、医師や授乳の専門家と追加量を決めるとよいでしょう。
風邪薬を飲んでも授乳できますか?
多くの薬は授乳中も使えますが、成分によって異なります。受診や購入の際に授乳中であることを伝え、授乳してよいか確認してください。
冷凍母乳はどのくらい保存できますか?
CDCの基準では冷凍庫で約6か月が最適で、12か月まで保存できます。解凍した母乳は再冷凍しません。
参考にした資料
- WHO 乳幼児の栄養に関する勧告
- AAP HealthyChildren.org
- CDC 母乳育児ガイダンス(搾乳の保存)
- 大韓小児青少年科学会
- 韓国 勤労基準法(授乳時間)
医療情報は参考用です。 一般的な情報で、診断や処方の代わりにはなりません。お子さんの状態は必ず医師と相談してください。緊急時は119番へ。
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